美容業界で女性が働きやすい環境づくりVol.2/コミュニティサロン と和
昨今、時代背景と共に働き方改革に取り組んでいる企業は、増加傾向にあります。
働き方改革は、大手企業だけでなく、全企業の大半を占める中小企業にも求められています。
接客業である美容業界の働き方改革は、まだ道半ばであり、強く実施推進できている美容室はなかなかありません。
美容師の3年以内の離職率は80%と言われています。その中でも、美容師1人が1つの美容室にとどまる期間は平均2年ほどで、1年目が50%、3年目が80%、10年目で92%となっており、一般企業では考えられない数値です。
それだけ美容業界は、福利厚生や労働環境が整備されていないという現実があります。
と和の美容業界におけるチャレンジーいち早く働き方改革を
「と和」では、従業員のことを考え、いち早く働き方改革を実施しています。
「と和」という名前には、「永遠に美しく、お客様と美容をつなぐ、和みの時間を過ごしていただく」という意味が込められています。
お客様の対応を次々とするような忙しい美容室とは違い、一人一人のお客様と向き合って笑顔でいることを大切にしています。お客様と美容を繋ぐ和みの時間を過ごしてもらい、美容師という仕事の喜び・やりがいを感じてもらいたいと考えている企業活動を実践しています。
女性は、結婚や出産の問題から美容師に復職できないケースが多い傾向にあります。そんな事情を持つ美容師のために、活躍する場を創っていくことを積極的に行っているようです。
【と和の働き方改革―実践事例】
□イクボス宣言
「会社のために、自分や家族、プライベートを犠牲にする(減私奉公)のではなく、仕事は生活のため義務的にやるもの(暗)であり、家族やプライベートは楽しいこと(明)であるという(公私峻別)でもなく、(活私奉公)が大切であるという考えを掲げ、一人一人の人生が輝けるよう、従業員とその家族を大切にしていきます」と宣言しています。
また、性別、雇用形態、人種、宗教、国籍などに関係なく、同一水準の賃金が支払われるよう、労働の種類と量に基づいて賃金を支払う制度を導入。本人が希望するときは、雇用形態も有期用契約社員が入社3か月以上経過した場合、無期契約社員、正社員に転換することも可能です。
雇用形態の安定は、長期の勤務ができることにより、心の安定に繋がるため、相乗効果を生みます。
□教育訓練・研修制度の充実
技術面の向上の働き方改革では、業務に必要な知識や技能を高めるための教育訓練があります。
昔のように見て覚えるのではなく、しっかりと研修制度が受けられます。
例えば、技能検定合格報奨金制度があり、指定する従業員に技能検定を計画的に実施しています。技能検定の受験料を会社が全額負担してくれます。受検は、所定労働時間労働したときに支払われる通常の賃金を支払ってくれます。
自発的に技能検定を受検したい旨の申し出があった場合、内容を検討の上、技能検定の受験料を会社が半額負担してくれます。技能検定に合格すると、合格報奨金として10,000円を支給してくれます。
技能検定を頑張り、ご褒美として10,000円がもらえるなんて嬉しい制度ですね。
□健康診断/がん検診の実施
働くために大切な健康ですが、会社が全額負担して、年に1回健康診断を実施しています。希望者には、会社が半額負担で、がん検診の受診もできます。
美容業界で、健康診断を自己負担ではなく、会社が負担してくれるのはとても珍しいことです。検診を受けて、自身の身体の健康状態を確かめることは年齢に関わらず、とても大切なことです。
□休暇制度の充実
採用日から6か月間継続して勤務し、所定労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、10日の年次有給休暇が与えられます。また、自発的に教育訓練を受講する場合に、教育訓練休暇を取得できます。有給休暇は、多くの美容室で取得できる制度がありません。
一風変わった休暇制度としては、誕生日や記念日であれば、年に1日の記念日等年次有給休暇が挙げられます。他にも、「職業生涯の節目に心身の疲労回復等をするため、1年間に1日のリフレッシュ休暇」、「育児・子育て・介護などをするため、1年間に1日の育児・子育て・介護等目的休暇」、「社会に貢献する自発的な活動を応援するため、1年間に1日のボランティア休暇」などの休暇制度もありました。
美容業界には珍しい、産休育休制度もあり、女性には嬉しい働き方改革をしています。出産したら美容師に戻れないという不安もなく、働くことができるので、少子化改善にも繋がります。
福利厚生の充実は、従業員満足度の充実による労働生産性の向上、離職率の低下、人材不足の補填など、さまざまなメリットがあります。そして、従業員モチベーション向上、人材育成、社内コミュニケーション改善の取り組みに精通しています。