【その道のプロに聞け!】美容業界におけるM&A事情
昨今では、聞きなれない言葉ではなくなった、M&A。
企業の合併や買収の総称がM&Aであり、企業が生き延びていく手段としては、美容業界においても、水面下では活況を呈しています。
Bpre編集部では、M&Aアドバイスを本業で行っていらっしゃる、アルテパートナーズさまに、美容業界におけるM&A事情をお伺いすることが出来ました。
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≪今回お話をお伺いした企業さま≫
アルテパートナーズ株式会社
https://ma-japan.info/
M&Aマッチングサービスのほか、顧問サービス、財務デューデリジェンス
専門家紹介など、M&A業務を専門にサービス提供されています。
お問い合わせはこちらまで。
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今ブームになってきている「M&A」という言葉をご存知でしょうか。
定義としては「企業の買収・合併」ですが、なかなかイメージがつきませんよね。
ここでは美容業界におけるM&Aについてお話ししたいと思います。
美容業界でいうM&Aとは、例えば、何らかの理由で今経営しているサロンを続けられなくなった時、閉店するのではなく、どなたかにサロンを譲渡(売却)し、そのまま経営してもらう。
逆に、サロンを新規出店したい時、一から作るのではなく、既に運営している店舗を譲受(買収)するというイメージです。
新規出店をする場合、まず場所を探し、店舗の造作、スタッフ採用、広告費、当面は赤字覚悟ですから運転資金も考えると、少なくとも1000万円位は必要です。
これが、今実際に運営している店舗を譲り受けることができれば、つまりM&Aで買収すれば、お店はある、スタッフはいる、お客様もいる状態でスタートすることができるのです。
さらに、売却の場合を考えてみましょう。
長年の独立の夢を叶え、店をオープン。何年か経つと順調にお客様もスタッフも増えたものの、お客様への技術提供以外のオーナーとしての業務が大変。
スタッフの給与計算、税金の支払、スタッフの管理対応…等々、現実にはオーナー業務に多くの時間を使わなければいけません。
これが2店舗、3店舗と増えてくるとなおさらです。
これで体調を崩し疲れてしまった、またこのままでいいのだろうかと考える方から、私達M&A専門業者には多くのご相談があります。
また、独立したものの、思うように売上が伸びず赤字続き…家賃やスタッフ給与は支払わなければならず、どんどん赤字がかさんでいくので売却したいといったご相談が多いのも現実です。
オーナーは一度休んでじっくり考えたいものの、スタッフやお客様がいる。閉店してしまうと多大なご迷惑がかかります。
これをどなたかに譲渡できれば、撤退の費用もかけずにサロンは存続させることができるわけです。
このように話すと、いいことだらけのM&Aのように聞こえますが、サロンの売買が増える中で、トラブルも急増しています。
美容サロンで多いのは、知り合いから買ったものの、全然うまくいかないのですぐに売りたいというご相談。
お話を聞いてみると、知り合いから利益が出ているからと、あまり中身を調べずに購入。
実際利益は半分程度しかなかったとか、聞いていた売上はチケット制だったので既に売上は前オーナーに入り、自分は施術のみ提供しなければいけなかったとか、譲受後2ヶ月でスタッフが2人辞めたので経営できなくなったとか…。
売り手さんの方も全く悪気はなく、本当に自分の感覚では利益が出ていてそれを伝えて売却しただけ。
買い手さんもそれを信じて買っただけ。
売却金額500万〜1000万円程度なら本当に簡単に売買されてしまって、失敗してしまっているという例もたくさんあるのです。
では、どうすれば失敗しないのか。
私達M&A専門業者が間に入って売買する場合には、本当に売上が入金されているか、費用計上の漏れはないか、雇用契約、賃貸契約は引き継げるかなど、あらゆることをチェックしながら契約まで努力します。
もちろん、1つでも欠ければ契約はできませんから、減額交渉になったり、破談になることもしばしばです。
実際に売りたいとご相談があった時には、まずは決算書や収支表を拝見して売却金額を決めることから始めますが、これが本当にサロンの実体を表しているか。現オーナーさんも気付かずに費用計上漏れがあったり、複数店舗経営している場合には、1店舗ずつの収支は分からないといったことも多いので、売却後のトラブルを避けるために、まずはここから修正して売却に向けて準備していく必要があるのです。
もしあなたが購入する場合、お金の流れがしっかり分からないサロンは買わないと思います。
逆にお金の流れがしっかりと通帳で見ることがサロンなら、安心して買うことができますよね。
そして、この安心感が高値売却につながります。
将来M&Aで売却を考えていらっしゃる方は、是非きちんとした収支を毎月記録し、お金の流れがしっかりと分かる状態を日々意識して下さい。
自分のお財布と一緒になってしまっているなんていうサロンは、売却できません。
むしろ赤字経営でも収支がしっかり分かるサロンは、買い手から見ると、どこに赤字の原因があるのか明らかですから、売却可能なのです。
もちろん高値で売却というわけにはいきませんが、閉店時にかかる原状回復費用、スタッフへの保障などの費用を考えると、M&Aはとても有用です。
いつかはサロンを去らなければいけない時が必ずやってきます。
その時、サロンに関わる方々がHappyになるにはどうすればいいか。その手段の一つとして、M&Aがあります。
そのためにも、現オーナーさんにはきちんとした数字の管理をお願いしたいと考えています。
そして、買収される方は、安易な気持ちで買わないこと。
しっかりと数字やサロンの状況を調査をすることも大切ですが、このサロンを譲り受けて、自分でどのように経営するのかイメージできることが最も大切です。
今利益が出ているサロンを買っても、放ったらかしておけば半年後には必ず経営は悪化します。
またすぐに売りたいなんてことになりかねないのです。
ブームになりつつあるM&Aですが、まだまだ落とし穴もたくさんです。
無料でM&Aについて学べるセミナーなどもありますので、参加してみるのもいいかもしれませんね。
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M&Aの理解、普及促進のため、日本M&Aアドバイザー協会は、定期的にセミナーを
実施しております。
セミナースケジュールは、以下協会ホームページよりご確認いただけます。
■日本M&Aアドバイザー協会
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